業務委託はやめておいたほうがいい?後悔する前に知るべき実態とリスクとは

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業務委託はやめておいたほうがいい」と耳にしたことがある方、以下のような悩みを抱えていませんか?

  • 業務委託のリスクやデメリットを知りたい
  • 業務委託を続けるべきか、やめるべきか判断したい
  • 正社員やアルバイトとの違いを具体的に比較したい

この記事では、

  • 業務委託の実態やリスク
  • 具体的なトラブル事例
  • さらには業務委託が向いている人の特徴やメリット

について徹底解説します

この記事の3行まとめ

  • 業務委託は収入が安定しづらく、社会保障がないため、自己管理やリスク管理が求められる働き方です。
  • 契約の内容をしっかり確認し、明確な条件を持つクライアントとの信頼関係を築くことが成功に繋がります。
  • 自分の状況や価値観に合わせた働き方を選ぶことが重要で、業務委託が向いているかを慎重に判断する必要があります。

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目次

業務委託とは?まずは仕組みを理解しよう

業務委託契約とは、企業や個人が特定の業務を外部の事業者やフリーランスに依頼する契約形態です。

依頼側を「委託者」、請け負う側を「受託者」と呼び、雇用契約と異なり委託者に指揮命令権は基本的にありません

受託者は自身の裁量で業務を遂行し、成果に対して報酬を受けます契約期間や業務範囲は個別に定められ業務完了で契約が終わる(必要に応じて更新する)点が特徴です

業務委託・請負・準委任の違い

業務委託契約には大きく分けて

の2種類があります 。これらは成果物の有無や責任範囲によって異なります。

請負契約

民法第632条で定められた契約形態で、受託者がある仕事の成果物を完成させることを約束し、委託者がその成果に対して報酬を支払う契約です 。

例えば「ウェブサイトを納品する」「システムを開発する」といった成果が求められる仕事が該当します。

請負では成果物の完成が目的となるため、成果物に瑕疵(欠陥)があれば受託者は責任を負う点が特徴です。

また、業務の進め方は基本的に受託者の裁量ですが、完成しなければ報酬は得られません。

委任契約(準委任契約)

民法第643条に定められた委任契約は、本来法律行為の委託を指しますが、法律行為以外の業務を委託するものを準委任契約と呼びます 。

これは「特定の結果を約束せずに、ある業務の遂行自体を引き受ける」契約です。

例えば「コンサルティング業務を一定期間行う」「システム運用を支援する」など、作業や役務の提供自体に対して報酬が支払われます。

準委任では必ずしも成果物の完成が条件ではないため、仕事の結果に対する瑕疵担保責任は問われにくいですが、その分、委託者から都度指示やフィードバックを受けながら進めるケースもあります。

雇用契約との違い(正社員・アルバイトとの比較)

雇用契約と業務委託契約の最大の違いは、以下の5点です。

指揮命令権の違い

雇用契約と業務委託契約の最大の違いは、雇用主による指揮命令権の有無です。

正社員やアルバイトなどの雇用契約では、労働者は企業に従属し、勤務時間・勤務場所・業務内容について企業の指示を受けます。

その代わり、労働基準法や労働契約法などにより保護され、最低賃金や残業代、有給休暇、社会保険(健康保険・厚生年金)、雇用保険、労災保険など各種福利厚生や労働法上の権利が保障されます。

一方、業務委託契約では原則として指揮命令権がなく、受託者は独立した事業主という位置づけです。

給与形態の違い

正社員・アルバイトは月給や時給など決まった給与が支払われますが、業務委託では契約した業務内容・成果に応じた報酬(業務委託料)が支払われます。仕事がなければ収入ゼロの月もあり得ます。

福利厚生の違い

正社員であれば会社が半額負担する健康保険・厚生年金に加入し、有給休暇や育休・産休なども取得できます。

一方、業務委託の場合は社会保険や厚生年金に企業は関与せず、自ら国民健康保険・国民年金に加入することになります。有給休暇制度もなく、休めばその分収入が減るだけです。

税金の扱いの違い

正社員は源泉徴収等で会社が税金を天引きしますが、業務委託は基本的に自分で確定申告を行い納税します。

経費計上などができる一方、その手間や知識が必要です。

契約上の安定性の違い

正社員は基本的に定年や退職まで雇用が継続しますが、業務委託は契約期間が定められていることが多く(たとえば3ヶ月や6ヶ月更新など)、契約切れで終了する可能性があります。

更新は双方の合意次第で、次の案件が見つからなければその時点で収入が途絶えます。

業務委託はやめとけ」と言われる理由

業務委託には魅力がありますが、多くのデメリットやリスクもあります。代表的な理由を簡潔にまとめます。

収入が安定しづらく生活が不安定になる

収入の変動が最大のリスクです。固定給がなく、案件次第で月収が大きく変わり、常に次の仕事を探す必要があります。

有給休暇がなく病気や私用で休めば収入が途絶え、収入補償がないため長期の病気や事故で経済的に行き詰まる可能性があります。

福利厚生や社会保険がない

業務委託では基本的に会社の福利厚生が使えません。健康保険・厚生年金・雇用保険・労災・退職金・有給・育休などは原則なく、国民健康保険・国民年金への加入や保険料の全額負担が必要です。

社会保障を重視する人や結婚・出産を控える人にはリスクが大きいです。

税金・保険などの事務手続きを自分で行う必要がある

確定申告や住民税、消費税、インボイス対応などの税務・保険手続きを自分で行う必要があります。

経理知識がないと手間やミスが増え、延滞税や加算税などのペナルティが発生する恐れがあります。

契約や更新・トラブル処理をすべて自己責任で行う

契約は自分で確認・交渉し、報酬・支払条件・契約期間・成果物の権利・秘密保持・解除条件・損害賠償等を把握する必要があります。

更新管理や未払い対応、トラブル時の交渉・法的手続きも自己対応が基本で、専門家に相談する場合は費用も自己負担です。

孤立しやすく、相談相手がいない

一人で業務を進めることが多く、同僚への相談や日常的な交流が少なくなりがちです。在宅中心の働き方では孤独感や不安を感じやすく、チームで働きたい人には不向きです。

キャリア形成・スキルアップのサポートが少ない

昇進や研修制度がなく、キャリア形成は基本的に自己責任です。メンターや社内研修が少ないため、特に若手は成長機会が減りがちで、資格取得や学習への投資も自己負担になります。

案件が途切れるリスクが常にある

契約満了で収入が途切れるリスクが常にあり、短期・単発中心だと定期的に営業や応募が必要です。景気や季節変動、受注競争(単価競争)に影響されやすく、案件確保のための営業力や実績が求められます。

実際に起こりやすい業務委託トラブル事例

ここでは、業務委託で起こりやすい代表的なトラブルを挙げます。フリーランスは企業の保護が薄いため契約・取引のトラブルに遭いやすく、厚労省の相談では5割以上が契約トラブルを経験しており、多くは報酬の支払い契約内容に関するものです。

事前に把握して対策しましょう。

報酬の未払い・支払い遅延

最も深刻で頻度も高いのが報酬の未払い・支払い遅延です。フリーランスは契約で定めた期日までに支払われる仕組みですが、悪質な発注者や倒産で支払われないケースがあります。

「納品後に検収が終わらないとして支払いを先延ばし」「催促しても踏み倒された」。契約書に支払期日を明記していないと長引きやすいです。

一定の取引には下請代金支払遅延等防止法(下請法)が適用され、成果物受領から60日以内の支払いなどルールがあり、守られない場合は遅延利息の支払い義務が生じます。

成果物の受け取り拒否や過剰な修正要求

納品物に関するトラブルも多く、受領拒否や過剰な修正要求が典型例です。

例えば契約通り納品しても「イメージと違う」として報酬を渋られたり、無償修正を何度も求められたりします。

契約で修正回数の上限追加修正時の報酬を決めておかないと、修正が青天井になる恐れがあります。

一方的な契約解除・条件変更

契約どおり業務を遂行していても、クライアントが一方的に契約を打ち切ったり条件を変えたりすることがあります。

例:「中盤で予算削減を理由に契約終了」「更新直前に報酬単価を一方的に引き下げ」。途中解約や違約金の取り決めがないと救済が難しく、音信不通になるケースもあります。

特に一社に依存して働いていると、その1社に切られた途端に収入がゼロになるリスクが高いため、取引先を一社に依存しすぎないことが重要です。

「業務委託=悪」ではない?メリットも理解しておこう

ここまでデメリット中心に述べましたが、業務委託にも明確なメリットがあります。

自由な働き方や専門性の活用、成果に応じた報酬など、会社員より向いている人は高い満足度を得られます。メリット・デメリットを両面で把握しましょう。

  1. 働き方の自由度が高い
  2. 自分のスキルを活かして働ける
  3. 仕事の選択肢が広がる
  4. 成果次第で収入アップも可能
  5. 人間関係のストレスが少ない働き方ができる

働き方の自由度が高い

業務委託の最大の利点は働く時間・場所の自由です。フルリモートや週2〜3日の稼働、昼夜逆転の勤務、地方や海外在住での案件対応など、ライフイベントに合わせて稼働を調整でき、在宅や育児・介護と両立しやすい点が魅力です。

自分のスキルを活かして働ける

業務委託では得意分野を選んで仕事にできるため、専門性がそのまま仕事と報酬に直結します。異動の心配がなく好きな案件を選択可能で、複数職を掛け持ちするなど多様なキャリア形成もでき、スキル次第で評価が上がります。

仕事の選択肢が広がる

フリーになると業界や業務の枠を越えて案件を選べるため、経験の幅が広がり人脈や知見が増えるのが利点です。複数クライアントとの取引で新しい分野に挑戦でき、仕事量も自分で調整できるので学習や休暇の時間を確保しやすくなります。

成果次第で収入アップも可能

業務委託は実力と営業力で報酬を伸ばせるのが特徴です。高単価案件や交渉で年収を大幅に上げる人もおり、効率良く稼げれば複数案件で収入を増やせます。ただし収入の変動は大きく、安定性の確保は別途必要です。

人間関係のストレスが少ない働き方ができる

社内政治や上司との摩擦が減り、対人ストレスを抑えて仕事に集中できるのは大きなメリットです。合わないクライアントは契約を更新しない選択が可能で、通勤や強制的な飲み会から解放され心身の負担が軽くなる人も多いです。

業務委託が向いている人の特徴

ここまで読んで、自分は業務委託に向いているか迷う方へ。業務委託(フリーランス)に向いている人には共通点があり、当てはまらなければ苦労する可能性があります。主なポイントを紹介します。

  1. 自己管理が得意で責任感がある人
  2. 専門スキルや実績を持っている人
  3. 安定よりも自由を重視する人

自己管理が得意で責任感がある人

フリーランスは自己責任の世界です。自己管理能力が高く、スケジュールを立てて守り、締切を逆算して行動し、体調やメンタルも自己管理できる人が向いています。

トラブルが起きても自分で解決する覚悟がある責任感も不可欠です。逆に監督がないと怠ける人や責任転嫁しがちな人は辛くなるでしょう。自己管理と自己責任がキーワードです。

専門スキルや実績を持っている人

何らかの専門スキルや実績で仕事を取れる人は有利です。例:シニアエンジニアの実務経験、デザイン入賞、SEOでの成果など。

「自分はこれができます!」と胸を張れる強みがあると案件に困りにくいです。完全未経験で独立するのは難易度が高いため、ある程度の得意分野を持ってからの独立が現実的です。

安定よりも自由を重視する人

安定より自由を優先する価値観の人はフリーランス向きです。毎月の収入が多少上下しても裁量や働き方の自由を重視するなら業務委託で幸せになれる可能性が高いです。一方、住宅ローンや家族の扶養などで安定収入が絶対条件なら正社員の方が向いています。価値観や人生設計に合っているかをよく考えましょう。

以上をまとめると、自己管理・専門性・独立志向・自由志向に当てはまる人が業務委託に向いています。自分がこれらに当てはまるかを基準に判断してください。

安定して業務委託案件を獲得する方法

業務委託で継続するには安定的に案件を確保することが重要です。ここでは仕事が途切れないための実践的な方法を簡潔に紹介します。複数の手段を組み合わせてパイプラインを太くしましょう。

クラウドソーシングサイトの活用(クラウドワークス・ランサーズなど)

クラウドソーシングは案件数が多く、登録無料で初心者でも始めやすいプラットフォームです。

特徴 説明
案件数が多い ライティング・デザイン・開発など幅広く掲載。
初心者向き 小さな案件で実績を作れる。
支払いの安心感 仲介や仮払いで未払いリスクが低い。
場所を選ばない 全国から応募可能。

まずは実績を積んで評価を上げ、高単価案件を狙いましょう。競争で単価が低くなりやすい点は注意が必要です。

フリーランスエージェントを利用する

ITやデザインなど専門職はフリーランス専用エージェントが有効です。

特徴 説明
高単価案件が多い 企業案件や大手案件にアクセスしやすい。
交渉・手続き支援 面談調整や単価交渉を代行。
参画後のフォロー 困りごとの相談や更新交渉が可能。
未経験支援あり サポートが手厚いエージェントもある。

複数登録して自分に合うエージェントを選びましょう。手数料で単価は下がる場合がありますが、手間削減と案件質向上のメリットが大きいです。

SNSや人脈を活かして営業する

自分での発信とネットワーク構築は案件獲得に直結します。ポイント:

ポイント 具体例
実績発信 制作物やノウハウをSNSで定期発信。
コミュニティ参加 勉強会や業界コミュニティで横の繋がりを作る。
既存人脈活用 前職の同僚や取引先に独立を知らせておく。
ポートフォリオ公開 作品や成果をまとめたWebページを用意する。

露出を増やし「仕事できる人」と認知されることが重要です。

実績を積み、ポートフォリオを整備する

実績が信頼につながるため、継続的に成果を蓄積し、見やすく整理しておきましょう。

小さくても実績を増やす 最初は単価が低くても丁寧に成果を出し、評価を積み上げましょう。
成功事例をまとめる 成果が分かる数字や具体例を簡潔に示しましょう。
ポートフォリオサイト/資料 職種に応じた形式(作品集、GitHub、レポート等)で強みを見せる資料を作成。
アップデートし続ける 常に最新の実績・スキルを反映させておきましょう。

「業務委託はやめておいたほうがよい」と言われる背景にある誤解

「業務委託はやめとけ」と言われるのは、一部の失敗例だけを見て一般化していることが多いです。ここでは代表的な誤解を簡潔に整理します。

業務委託=損をするという誤解

ネガティブな情報ばかりが強調されがちですが、成功しているフリーランスも多数います。

重要なのは個人の適性で、向き不向きを無視して「誰でも損する」と断じるのは誤りです。ただしデメリットがあるのも事実なので、「必ず損する」といった極端な意見は鵜呑みにせず、自分の条件と照らして判断しましょう。

稼げない人と稼げる人の差は「準備」と「リスク管理」

稼げるかどうかは準備とリスク管理の差です。

  • 準備不足で案件を取れない、貯蓄がなく無収入期間に耐えられない。
  • 1社依存や税金対策の不足で収入が途絶える。

逆に稼げる人は貯蓄やマーケット調査、複数クライアントでの分散、スキル研鑽や税・保険の計画を行っています。

自分の目的に合った働き方を選ぶことが大切

働き方に優劣はなく、「安定重視なら正社員」「自由重視なら業務委託」が目安です。

他人の経験だけで判断せず、目標・ライフスタイル・性格を総合して選びましょう。イメージ先行ではなく、リアルな情報と自己分析に基づく判断をしましょう。

よくある質問

業務委託の欠点は何ですか?

主な欠点は収入の不安定さ社会保険・福利厚生の欠如、そして契約やトラブル対応が自己責任になる点です。

孤立しやすく、税・保険の手続きや生活の保障も自分で用意する必要があります。

総じて、安定性と保障の不足と自己責任の重さが欠点となります。

業務委託とアルバイトではどちらが得ですか?

一概には言えません。アルバイトは時給・日給が保証され、労働法や(条件次第で)社会保険の保護があり安定しますが、勤務条件は雇用主に制約されます。

業務委託は自由度が高く報酬次第で高収入も狙えますが、収入保証や保険はなく自己管理が必要です。

例えば塾講師では、アルバイトは時給で残業代の対象になりますが、業務委託は成果報酬で準備時間が無給になりがちです。

業務委託に向いている人の特徴は?

自己管理が得意で責任感が強い人、専門スキルや実績がある人、独立心が旺盛で自由を好む人が向いています。

逆に安定志向が強い人や手厚いサポートを必要とする人は向きません。要は、自己責任でやっていく覚悟と能力があるかどうかです。

業務委託で働く上でのリスクはどんなものがありますか?

代表的なリスクは、収入の変動リスク(仕事が途切れると無収入になる)、社会的保障の欠如(病気や失業時の支援が乏しい)、および契約トラブル(報酬未払い・一方的な解除・過剰な修正要求)です。

加えて、自己管理ミスで過労や税務トラブルになることもあります。

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