組み込みエンジニアの業務委託は稼げる?単価相場や契約までの流れを解説

最終更新日:
  • 組み込みエンジニアの業務委託案件の単価相場を知りたい
  • 案件の探し方や契約までの流れ、注意点を整理したい
  • リモート可否や高単価で働くための基準・サイト選びを知りたい

結論からお伝えすると、組み込みエンジニアの業務委託は、実務経験と専門スキル(C/C++、RTOSなど)次第で会社員時代以上の収入を得ることは十分に可能です。

IoTや自動運転技術の発展により、その需要は年々高まっています。一方で、Web系エンジニアとは異なりハードウェアが必要という特性上、リモートワークの難易度や契約形態(準委任/請負)の判断を誤ると、働き方のミスマッチやトラブルにつながるため、事前のリサーチが非常に重要です。

この記事では、以下の内容について解説します。

  • 組み込みエンジニア業務委託の単価相場
  • 案件サイト選び/契約形態/契約書の必須チェック項目
  • 実際の求人例と高単価を狙うための基準
  • スキルセット別に参画しやすい案件の傾向

組み込みエンジニアが業務委託で成功するために押さえるべき単価相場、案件探しの基準、契約の流れや注意点、実例求人までわかりやすく解説します。

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目次

組み込みエンジニアで業務委託はできる?未経験からも可能?

組み込みエンジニアとしての実務経験が2-3年以上あれば業務委託契約で仕事を受けることは可能です。組み込み開発はハードウェアに近い領域での開発が多く、専門的な知識や経験が求められるため、実務経験が重視される傾向にあります。実際に、フリーランスエージェントなどでは組み込みエンジニアのフリーランス案件が多数掲載されています。

C言語やC++を用いた開発経験、RTOS(リアルタイムオペレーティングシステム)に関する知識、ハードウェアの理解、デバッグスキルなどがあると、より多くの案件に対応でき、高単価も狙いやすくなります。

ただし、組み込み開発の実務経験がない場合、つまり未経験からフリーランスになるのは難しいのが現状です。多くの案件では即戦力となる実務経験が求められます。未経験の場合は、まずプログラミングスクールで学習したり、実務経験を積むために就職・転職を検討したりすることをおすすめします。また、昨今ではフリーランスに求められるスキルが上がってきているため、微経験(経験年数〜2年)の場合は案件参画が難しくなってきています。

組み込みエンジニアの業務委託の単価相場

単価中央値: 66.0万円
単価平均値: 66.7万円
単価相場案件数
0〜9万円0件
10〜19万円0件
20〜29万円0件
30〜39万円0件
40〜49万円1件
50〜59万円8件
60〜69万円4件
70〜79万円4件
80〜89万円7件
90〜99万円0件
100〜109万円0件
110〜119万円0件
120〜129万円0件
130〜139万円0件
140〜149万円0件
150〜159万円0件
160〜169万円0件
170〜179万円0件
180〜189万円0件
190〜199万円0件
200〜209万円0件
210〜219万円0件
220〜229万円0件
230〜239万円0件
240〜249万円0件
250〜259万円0件
260〜269万円0件
270〜279万円0件
280〜289万円0件
290〜299万円0件
300〜309万円0件
2025年12月時点

組み込みエンジニアの業務委託案件を受注する際に重要なのが、案件の単価相場と、自身のスキルレベルでどの程度の単価が期待できるかを把握しておくことです。相場を知ることで、適切な報酬交渉や年収目標の設定に役立ちます。

フリーランスエージェントの求人情報や収集した案件データを分析すると、組み込みエンジニアのフリーランス案件の月額単価は、求められる経験年数やスキルセット、担当工程によって大きく変動しますが、月額60万円〜80万円程度が中心的な価格帯と言えそうです。最高単価は130万円を超える案件も見られます。

具体的には、以下のような傾向が見られます。

  • 月額80万円以上の高単価案件:組み込み開発の実務経験が5年以上あり、C/C++に加えてRTOS、Linux、ハードウェア知識、特定の業界(車載、医療機器、産業機器など)に関する深い知識や経験が求められることが多いです。プロジェクトリーダーやアーキテクチャ設計の経験、顧客との折衝能力なども高単価に繋がります。
  • 月額60万円〜80万円程度の案件:組み込み開発の実務経験が3年以上あり、C/C++を用いた開発スキル、基本的なRTOSやハードウェアの知識があると応募可能な案件が多く見られます。仕様に基づいた設計、実装、テストを一貫して担当できるスキルが求められます。
  • 月額60万円未満の案件:組み込み開発の実務経験が1〜2年程度でも応募可能な案件が見られますが、数は少なめです。基本的なC言語での開発経験や、特定のマイコンに関する知識などが求められることが多いようです。

このように、単に組み込み開発ができるだけでなく、関連技術(RTOS, Linux, ハードウェアなど)の経験、担当できる工程の広さ、特定の業界知識の有無などが単価を左右する重要な要素となります。

例えば、月額80万円の案件を継続できれば年収は960万円となり、会社員時代よりも大幅な収入アップが期待できます。一方で、経験が浅いうちは単価が低めになる可能性も考慮しておきましょう。

DAI
自身のスキルセットを客観的に評価し、市場価値に見合った単価で案件を獲得していくことが、フリーランスとして成功するための鍵となります。

組み込みエンジニアの業務委託案件例

ここでは、実際に募集されている組み込みエンジニアのフリーランス案件の例を5つご紹介します。

880,000/月
確認中
リモート
スキルC言語
職種サーバーサイドエンジニア組み込みエンジニアエンジニア
フィットネスの大手企業にてフィットネスサービスだけでなく、エンタメ系やワークスペース等を展開しております。 そこで各種設備や機械のデータ連携等、組み込み系のエンジニアリング知見が不足している状況のため、 フィットネスジム内の各種機器、機械の...
660,000/月
横浜
常駐
スキルC言語
職種エンジニア組み込みエンジニア
遊技機組み込みエンジニアとして、下記業務をご担当いただきます。
720,000/月
六本木
リモート
スキル機械学習データ分析TypeScriptPythonJavaScriptJavaAWSAIAzureTensorflowKerasPytorchMicrosoft Azure
職種組み込みエンジニア機械学習エンジニアエンジニア
【案件詳細】 ▼開発 ・機械学習(生成系を含む)や、AIを活かしたアルゴリズム、技術の調査 ・技術の精度評価や改善などの仮説検証プロセスの実施 ・モック開発 ▼組み込み ・モック開発からシステム開発へのブリッジ ・実用化に向けたAIエンジン...
720,000/月
新横浜事業所
フルリモート
スキルC言語
職種エンジニア組み込みエンジニア
CDCシステム メーターCANミドル機能開発に組み込みエンジニアとして携わっていただきます。
610,000/月
渋谷
リモート
スキルプログラミングC言語
職種エンジニアコンサルタント組み込みエンジニア
【概要・業務内容】は下記になります。 2025年新卒研修に向けたコンサルテーション、研修企画に携わっていただきます。 新卒組み込みエンジニアへの研修を毎年内製で実施しています。 詳細は面談時にお話しできればと存じます。

組み込みエンジニアの案件をお探しの方は、フリーランス向けマッチングサービスおすすめ17選を是非参考にしてみてください。

組み込みエンジニア業務委託が身につけたいスキル3選

インディバースフリーランスの求人データを元に、組み込みエンジニアとして特に求められるスキルを3つご紹介します。

スキル1: C/C++言語に関する深い知識

組み込み開発の多くの現場でC言語やC++が使用されています。ポインタ、メモリ管理、低レベルプログラミングなど、これらの言語に関する深い理解と効率的なコードを書くスキルは必須です。

スキル2: 組み込み開発の実務経験

仕様定義から設計、実装、テスト、デバッグまで、組み込みシステム開発の一連の工程を経験していることが重要です。特定のマイコンやプラットフォームでの開発経験があると、さらに有利になります。

スキル3: RTOSやハードウェアに関する知識

リアルタイムOS(RTOS)の理解や、GPIO、タイマー、割り込み処理など、ハードウェアを直接制御するための知識は組み込みエンジニアにとって不可欠です。回路図を読める能力なども役立ちます。

組み込みエンジニアの業務委託案件探しにおすすめのエージェント

DAI
基本的には副業案件自体がどのエージェントでも少ないため、「求人数が多いレバテックフリーランスに1社登録し、2-3社並行して登録しておくと、よりよい副業求人に出会うことができます。
    公式サイト エンジニア案件数 稼働日数
    (目安)
    特徴
    レバテックフリーランス
    https://freelance.levtech.jp/ ★★★★★ 週4~5日 ・とにかく案件数が多い
    大企業の高単価案件やフルリモート案件も多数取扱あり
    ・フリーランスとして案件受注を検討するならまず登録したいエージェント
    HiPro Tech
    https://tech.hipro-job.jp/ ★★★★ 週3〜5日 ・中間マージンが発生しない
    ・掲載案件の約70%が自社開発
    25%は週3日以下の稼働で自由な働き方を実現できる
    テックストック
    https://tech-stock.com/ ★★★★★ 週4~5日 ・週5日フルコミットで月80万円以上を目指せる高単価案件を多数
    リモート案件も豊富で、場所を選ばずに活躍したいエンジニアにおすすめ
    テクフリ
    https://freelance.techcareer.jp/  ★★★ 週4〜5日 大企業の高単価な案件が多い
    ・面談対策など案件受注サポートも充実
    ・業界でも珍しい低マージン率(一部案件で10%)

    レバテックフリーランス

    運営会社 レバテック株式会社
    公式サイト https://freelance.levtech.jp/
    契約形態 業務委託
    対応地域 全国
    支払いサイト 15日サイト(月末締め翌月15日支払い)
    求人数 113,450件
    リモート求人数 -
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    レバテックフリーランスは、フリーランスのITエンジニア・デザイナーに特化した、業界最大級のエージェントです。最大の魅力は、中間マージンを極力排除した高単価の「直請案件」が豊富なこと。サイバーエージェントやDeNAといったメガベンチャーをはじめ、誰もが知る大手企業のプロジェクトに参画できるチャンスが多数あります。

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    「高単価を目指したい」「大手企業でキャリアを築きたい」「手厚いサポートを受けたい」という経験豊富なエンジニアの方に最適なエージェントとなるでしょう。ただし、実務経験が浅い場合や、週1-2日の案件、地方常駐を希望する場合は、他の選択肢も検討すると良いかもしれません。フリーランスとしてさらなる飛躍を目指すなら、レバテックフリーランスは強力な味方になります。

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    HiPro Tech

    HiPro Tech(ハイプロテック)は、パーソルキャリア株式会社が運営するIT・テクノロジー領域に特化したフリーランスエージェントです。企業とフリーランスを“直接契約”でつなぐことを特徴とし、中間マージンが発生しないため、高単価・高報酬な案件が豊富に揃っています。

    掲載案件の約70%が自社開発で、25%は週3日以下の稼働と、自由度の高い働き方を実現できます。さらに「案件リクエスト機能」により、今すぐ稼働できない方でも条件に合った案件を優先的に紹介してもらえる点も魅力。登録から契約までのサポートはすべて無料で、初めてのフリーランス活動でも安心して利用可能です。PM・エンジニアからデータサイエンティストまで幅広い職種に対応し、全国どこからでも参画できる案件も多数。キャリアの自由度と収入の最大化を両立したいITプロフェッショナルに最適なサービスです。

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    HiPro Tech(ハイプロテック)の評判を徹底解説。中間マージン0の直接契約で高単価...

    テックストック

    運営会社 INTLOOP株式会社(イントループ株式会社)
    公式サイト https://tech-stock.com/
    契約形態 業務委託契約(一部案件では派遣契約)
    対応地域
    支払いサイト 最短で稼働月当月末締め翌月15日
    求人数 8,486件
    リモート求人数 3,665件 (2025年12月7日 現在)
    福利厚生 税務・会計のお悩み解決サポート
    キャリア拡大に向けたスキルアップサポート
    健康維持のためのライフスタイル向上サポート

    テックストックは、INTLOOP株式会社が運営するフリーランスエンジニア向けのエージェントサービスです。

    直請案件・上流案件を中心に、週5日フルコミットで月80万円以上を目指せる高単価案件を多数取り扱っています。

    リモート案件も豊富で、場所を選ばずに活躍したいエンジニアにおすすめです。税務・会計サポート、スキルアップ支援、ライフスタイル向上サポートなど、充実した福利厚生も魅力。週5日フルコミットでがっつり稼ぎたい、上流工程に携わりたいという方は、テックストックがおすすめです。

    DAI
    こちらは経験年数が5年以上といった、かなりベテラン向けの方であれば高単価案件が獲得しやすいエージェントとなります。
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    テクフリ

     

    テクフリ(TechCareer Freelance)は、株式会社アイデンティティーが運営するフリーランスエンジニア・クリエイター向けの案件紹介サービスです。

    最大の特徴は、業界でも珍しい低マージン率(一部案件で10%)と、登録から案件参画後まで一貫してサポートする強力な体制。コーディネーター・エージェント・カスタマーサクセスの専門チームが、カウンセリングや条件交渉、現場での問題解決まで丁寧に対応します。

    さらに、ITフリーランスコンソーシアム(ITFC)による独自の福利厚生も充実。休業補償保険や報酬付き休暇、健康診断割引、税理士無料紹介・キャッシュバック、デリバリーや旅行の割引など、他社にはない特典が多数用意されています。

    案件の約80%がリモート対応、週4日からの稼働も可能で、柔軟な働き方を実現。高単価案件や福利厚生を重視する方、エンジニア・クリエイター職種でキャリアアップを目指す方に最適です。ただし、実務経験2~3年以上が求められるため、経験の浅い方や地方在住で常駐案件を希望する方には向かない場合があります。登録・利用は完全無料。

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    業務委託契約の主な種類

    業務委託契約とは、業務を外注したい企業が業務の一部をほかの企業や個人に委託することを指します。

    報酬や納期・仕事内容などをお互いが了承することで契約が締結されます。

    従業員と雇用主のような関係ではなく、対等な関係です。

    業務委託契約は、主に以下の3種類に分けられます。

    • 準委任契約
    • 請負契約
    • 委任契約
    DAI
    それぞれの違いについて解説します。

    準委任契約

    準委任契約とは、成果物の作成や事務作業など、特定の業務を遂行した場合に報酬が支払われる契約です。

    委託する業務や時間によって支払われる報酬が異なります。

    メリット

    準委任契約の最大のメリットは、収入が安定しやすいという点です。

    準委任契約では、時間内に特定の業務を遂行することで報酬が支払われます。

    期限までに成果物を完成させなければいけないという条件がないので、心身的な負担軽減にもつながります。

    デメリット

    一方のデメリットは、稼働時間における自由度がそれほど高くないという点です。

    基本的にはシフトで稼働するようになるため、自分が好きなタイミングで休むことはできません。

    業務の進捗報告を定期的に報告しないといけなかったり、稼働する時間帯などもクライアントから決められたりすることがほとんどなので、働き方は正社員やアルバイトに近いです。

    DAI
    またクライアント側から評価されなかった場合には、いきなり契約を打ち切られてしまう恐れもあるので注意しましょう。

    請負契約

    請負契約とは、成果物を完成させて納品することで報酬が支払われる契約です。

    メリット

    請負契約のメリットは、準委任契約と比較して自由度が高いという点です。

    請負契約では、成果物を完成させて納品することが報酬を支払ってもらえる条件となります。

    働く場所や働く時間なども全て自分で決められるため、何も縛られずに自分のペースで働きたい人におすすめです。

    デメリット

    一方のデメリットは、納品した成果物のクオリティがクライアントが求めている基準に達していない場合、報酬がもらえない可能性があるという点です。

    やり直しや報酬の減額を提示されることもあり、最悪の場合には報酬の支払いを拒否されるリスクもあります。

    DAI
    トラブルを防ぐためにも、請負契約をする際は工数と報酬が見合っているかチェックしましょう。

    委任契約

    委任契約とは、法律に関する業務を委託するための契約です。

    確定申告を税理士に委任したり、弁護士に委任して裁判を起こしたりすることなどが委任契約にあたります。

    DAI
    組み込みエンジニアとの直接的な関わりはありませんが、念のため覚えておきましょう。

    組み込みエンジニアが業務委託で働くメリット

    組み込みエンジニアが業務委託で働く主なメリットは、以下の4つです。

    • 自分の好きな仕事に集中できる
    • 努力次第で収入アップが可能
    • 自分で業務時間を決められる
    • 人間関係のストレスから解放される
    DAI
    順番に解説します。

    自分の好きな仕事に集中できる

    メリット1つ目は、自分の好きな仕事に集中できるという点です。

    会社員の場合、自分の意思に関係なく上司や会社から与えられた仕事をただひたすらこなさなければいけません。

    そのため、ストレスが溜まる人も多いです。

    しかし、業務委託契約であればさまざまな案件から自分の得意な仕事や挑戦したい仕事を選べます。

    DAI
    自分の好きな仕事に集中することで、スキルアップにも期待できるのです。

    努力次第で収入アップが可能

    メリット2つ目は、努力次第で収入アップが可能という点です。

    会社員でも営業職であれば、契約数や受注数などによってインセンティブが支払われます。

    しかし、それ以外の職種はたとえ仕事で大きな成果を挙げたとしても、給与が一気に上がることはありません。

    業務委託では、常に成果を出すことでクライアントから評価されて報酬アップが期待できます。

    仕事に対するモチベーションにもつながるので、少しでも多く稼ぎたい人に業務委託はおすすめです。

    自分で業務時間を決められる

    メリット3つ目は、自分で業務時間を決められるという点です。

    請負契約であれば、働く場所や時間を自由に決められます。

    準委任契約であっても、会社員と比較すると柔軟にスケジュール調整が可能です。

    DAI
    プライベートの時間を優先しながら働くという選択肢が増えます。

    人間関係のストレスから解放される

    メリット4つ目は、人間関係のストレスから解放されるという点です。

    会社員として働いていると、一緒に働く上司や同僚たちとの人間関係に悩まされる人も少なくありません。

    人間関係によって心身共に疲弊してしまうこともあります。

    業務委託では、会社員のような雇用関係とは異なり、クライアントと対等な立場で業務が行えます。

    少しでも気が合わないと感じたら、すぐに別のクライアントを探すことも可能です。

    DAI
    仕事を共にするパートナーを自分で決められるので、人間関係で悩むこともなくなります。

    組み込みエンジニアが業務委託で働くデメリット

    業務委託は、メリットだけでなくデメリットも存在します。

    主なデメリットは以下の3つです。

    • 労働基準法が適用されなくなる
    • 福利厚生が受けられない
    • 仕事のトラブルはすべて自己責任
    DAI
    一つずつ解説します。

    労働基準法が適用されなくなる

    デメリット1つ目は、労働基準法が適用されなくなるという点です。

    業務委託契約は、正社員やアルバイトのような雇用関係ではないため、業務内容によっては長時間労働になったり最低賃金を下回ったりすることもあります。

    DAI
    自分が不利な状況にならないよう、契約する前に必ず内容の擦り合わせを行いましょう。

    福利厚生が受けられない

    デメリット2つ目は、福利厚生が受けられないという点です。

    業務委託契約では、会社員のような雇用保険や労災保険などの社会保険が適用されません。

    そのため、万が一事故や怪我が発生した場合には全て自己責任となります。

    最近では福利厚生を提供しているエージェントもあるので、自分の身を守るためにも積極的に加入しておきましょう。

    仕事のトラブルはすべて自己責任

    デメリット3つ目は、仕事のトラブルが全て自己責任になるという点です。

    会社員であれば、トラブルを起こしても最終的に上司や会社が守ってくれますが、業務委託ではそうはいきません。

    すべて自己責任となるため、数百万円以上の損害賠償をクライアントから請求されることもあります。

    DAI
    これまで以上に仕事に対して責任感を持って取り組みましょう。

    業務委託契約を結ぶには業務委託契約書が必要

    業務委託契約を締結する際には、お互いの認識の相違を防ぐためにも業務委託契約書が必要です。

    業務委託契約書が必要な理由

    業務委託契約書が必要な理由は、以下の2つです。

    • 契約上のトラブルが起きにくくなる
    • 万が一のときに証拠として使える

    業務委託契約書がなければ、事前に話していた内容と異なり、予定以上の業務量を任せられたり支払われる報酬が少なかったりするなどのトラブルが発生してしまうことも珍しくありません。

    しかし、業務委託契約書があることで業務内容や報酬についてもしっかりと明記されているので、トラブルが起きにくくなります。

    万が一のときには証拠としても有効な書類となるため、業務委託契約で業務を行う際には必ず業務委託契約書を締結しましょう。

    業務委託契約で起きやすいトラブルとは?

    業務委託契約では、以下のようなトラブルが起きやすいです。

    • 成果物に対する度重なる修正を求められたが報酬が変わらず、その分時給が低くなってしまった
    • 契約内容にない業務についても求められたが、報酬の支払いがなかった

    トラブルが起きてしまうことで、余計なリソースを割かなければいけません。

    DAI
    効率的に稼ぐためにも、契約を締結する前の段階で不備がないか必ずチェックしておきましょう。

    秘密保持契約を結ぶ場合は秘密保持契約書を取り交わす

    ほとんどの業務委託契約では、業務委託契約書のほかに別の書類も取り交わします。

    それが秘密保持契約書です。

    秘密保持契約とは、業務委託の契約中にクライアントから共有された情報を業務以外の目的で第三者に開示しないという契約です。

    秘密保持契約のときと同様に、契約する前には書類に不備がないか確認してから契約を取り交わしましょう。

    業務委託契約締結の主な流れ

    業務委託契約の主な流れは以下の通りです。

    1. 契約内容の詳細について話し合う
    2. 業務委託契約書を作成する
    3. 契約書の内容を共有し、認識の相違を確認し合う
    4. 業務委託契約書を取り交わし、契約完了
    DAI
    順番に解説していきます。

    ①契約内容の詳細について話し合う

    まず始めに、契約内容の詳細から話し合います。

    主に以下の内容について話し合いましょう。

    • 報酬額
    • 契約期間
    • 業務の範囲

    ②業務委託契約書を作成する

    話し合った内容に問題がなければ、業務委託契約書を作成します。

    基本的に業務委託契約書を作成するのはクライアント側です。

    ③契約書の内容を共有し、認識の相違がないか確認し合う

    業務委託契約書が完成したら、話し合った内容と認識の相違がないかをお互いにチェックします。

    未然にトラブルを防ぐためにも、少しでも気になる部分があったら必ずクライアントに相談しましょう。

    ④業務委託契約書を取り交わし、契約完了

    業務委託契約書の内容に問題がなければ、契約書を取り交わして契約完了です。

    以前までは記名捺印が必要でしたが、最近はクラウド上での電子契約が多くなってきています。

    そのため、クライアントに合わせて臨機応変に対応しましょう。

    業務委託契約の締結前に確認すべき条件

    業務委託契約の締結前に確認しておくべき条件は以下の通りです。

    • 業務形態は何か
    • 契約内容は何か
    • 報酬についての記載はあるか
    • 報酬以外に経費の支払いはあるか
    • 稼働時間はどのくらいか
    • 稼働時間精算幅外の控除・超過支払いについての記載はあるか
    • 報酬の支払日はいつか
    • 契約期間、更新の有無について
    • 損害賠償の記載はあるか
    • 不利な内容は記載されていないか
    DAI
    実際に契約する際は、ぜひ参考にしてください。

    契約形態は何か

    先ほど紹介した通り、業務委託契約には主に準委任契約と請負契約の2種類があります。

    契約形態によって働き方が大きく異なるので、必ずチェックしましょう。

    業務内容は何か

    業務内容についてもしっかり確認しておかないと、「自分が想像していた業務内容と違った」「報酬には見合わないほどの業務量を任されてしまった」など、自分自身を苦しめる結果につながってしまいます。

    未然に防ぐためにも、契約する前に必ず業務内容についても確かめておきましょう。

    報酬についての記載はあるか

    業務委託契約書に報酬額や支払い方法など、報酬についての記載があるかどうかも必ず確認しましょう。

    また、下記の項目についても忘れずにチェックしておきましょう。

    • 時間単価か、プロジェクト単位での支払いか
    • 報酬の計算方法

    報酬以外に経費の支払いはあるか

    業務を遂行する上で、消耗品や電気代などがかかります。

    それらの費用が経費として支払われるのかも重要なポイントです。

    後々のトラブルにもなりかねないので、必ず事前にチェックしましょう。

    稼働時間はどのくらいか

    案件によっては、稼働時間があらかじめ決められていることがあります。

    スケジュールを管理する上でも重要な指標となるため、契約する前に確かめておきましょう。

    また稼働時間と併せて精算幅(例:100時間を基準に、90〜110時間の精算幅で◯万円)についても確認を怠らないようにしましょう。

    稼働時間精算幅外の控除・超過支払いについての記載はあるか

    組み込みエンジニアの案件のほとんどは稼働時間の精算幅が設けられています。

    その場合には、報酬の控除もしくは超過支払いがあるのかをチェックしましょう。

    精算幅外の控除と超過支払いとは、実際の稼働時間が精算幅より少なかった場合は報酬がその分差し引かれてしまい、逆に多かった場合は報酬が加算される仕組みです。

    「業務時間外も働いたのに、その分の報酬がもらえなかった」というトラブルを防ぐため、入念に確認しましょう。

    報酬の支払日はいつか

    報酬の支払日は、クライアントよってさまざまです。

    翌月末払いの場合もあれば、翌月20日払いとしているクライアントもいるので、複数のクライアントと契約している場合には混乱しないように注意しましょう。

    また納品から検収の期間についても、併せてチェックしておきましょう。

    契約期間、更新の有無について

    業務委託契約の契約期間や契約終了後の更新可否についても確認しておきましょう。

    一般的には、お互いに解約の申し出がない場合、そのまま自動更新となります。

    しかし、クライアントによっては更新する際に一定の条件を満たさなければ更新されないというケースもあるので、注意が必要です。

    損害賠償の記載はあるか

    損害賠償の記載についても要注目です。

    業務委託契約中にトラブルやミスを起こしてしまうと、すべて自己責任となります。

    そのため、情報漏洩や著作権の侵害・秘密保持契約違反などで企業に損害を与えてしまった場合、企業から損害賠償を請求されることがあります。

    数百万円以上の支払いを命じられることも珍しくないので、どのような場合に損害賠償請求の対象となるのかについて必ずチェックしておきましょう。

    不利な内容は記載されていないか

    「報酬の振込手数料を負担させられる」「契約終了後に発生した損害を全額賠償する」など、自身にとって明らかに不利な内容が記載されていることも少なくありません。

    明らかに不利な内容で契約を締結してしまった場合、自分自身を苦しめる結果となります。

    そのため、少しでも気になる内容を発見したら修正をお願いしましょう。

    修正に対して断られてしまった場合には、契約自体をお断りすることも考えましょう。

    DAI
    双方が納得して契約することが重要です。

    組み込みエンジニアの業務委託に関するよくある質問

    1.組み込みエンジニアでもフルリモートで働けますか?

    可能ですが、Web系エンジニアに比べると案件数は少なくなります。 組み込み開発は実機(ハードウェア)を用いた検証が必要なため、機材を自宅に持ち帰れない場合や、セキュリティの観点から出社を求められるケースが多いからです。

    ただし、仕様検討などの上流工程や、シミュレーターで完結する開発であれば、フルリモート可能な案件も存在します。

    2.開発用のPCや測定器(オシロスコープ等)は自分で用意する必要がありますか?

    基本的にはクライアントから貸与されます。 Web開発と異なり、組み込み開発では特殊な測定器や検証用の実機、セキュリティ制限のかかった開発環境が必要です。

    PCを含め現場で指定された機材が貸与されるケースが大半です。ただし、フルリモート案件の一部では、一定スペック以上のPCを自己手配するよう求められる場合もあります。

    3.組み込みエンジニアの業務委託は将来性がありますか?

    IoTや自動車産業の発展により、非常に将来性は高いです。 特にIoT、自動運転、AI搭載機器の分野で需要が急増しています。

    Web系エンジニアに比べて専門性が高いため、高度なスキルを持つエンジニアは市場価値が下がりにくく、長期的に安定して稼げる傾向にあります。

    4.契約期間中に突然契約が終了になることはありますか?

    可能性はゼロではありませんが、通常は1ヶ月前に通知されます。 契約書には通常「契約解除の際は30日前までに通知する」といった条項が盛り込まれます。

    プロジェクトの縮小や予算カット、あるいは成果物が期待値を大きく下回った場合に終了となることもあります。

    5.案件獲得のために、資格は持っていた方が有利ですか?

    実務経験が最優先されるため、必須ではありません。 業務委託では「何ができるか(実務経験)」が重視されます。

    た「エンベデッドシステムスペシャリスト試験」などの高度情報処理技術者試験の合格歴は、基礎知識の証明や信頼性の担保になり、経験年数が浅い場合や単価交渉の際にプラス材料として働くことがあります。

    まとめ

    本記事では、組み込みエンジニアの業務委託案件を探す基準やおすすめのサイト・業務委託契約で働くメリットなどについて解説しました。

    業務委託で働くことによって自分の好きな仕事に集中できるので、スキルアップにつながります。また努力次第では短期間での収入アップも期待できます。

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