【AI普及によるエンジニア採用の変化】フリーランス案件は「成果物ベース」中心にシフト、若手登用には課題も

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株式会社インディバース(所在地:東京都武蔵野市、代表取締役:河合 大)は、「AIの普及によるエンジニア採用の変化」に関する調査を実施しました。

生成AIの進化が急速に進む中で、開発現場の構造やエンジニアの働き方は大きな転換期を迎えています。AIの活用が一般化することで、企業は従来の「人手による開発」から「自動化を前提とした開発」へと移行しつつあります。

一方で、フリーランスエンジニアにとっては、案件の内容や求められるスキル、評価基準に変化を感じる場面も増えています。

そのような状況下で、企業はどのような人材を求め、フリーランスエンジニアはどのような変化を感じているのでしょうか。

そこで今回、株式会社インディバースは、①フリーランスエンジニアの依頼担当者/②20〜50代のフリーランスエンジニアを対象に、「AIの普及によるエンジニア採用の変化」に関する調査を実施しました。

■調査結果はこちら
https://freelance.indieverse.co.jp/media/reports/engineer-llm-impact

調査概要:「AIの普及によるエンジニア採用の変化」に関する調査
【調査期間】2025年11月7日(金)~2025年11月12日(水)
【調査方法】PRIZMA(https://www.prizma-link.com/press)によるインターネット調査
【調査人数】1,003人(①695人/②308人)
【調査対象】調査回答時に①フリーランスエンジニアの依頼担当者/②20〜50代のフリーランスエンジニアと回答したモニター
【調査元】株式会社インディバース(https://indieverse.co.jp/)
【モニター提供元】PRIZMAリサーチ

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依頼内容は「成果物ベース」の案件が増加傾向。依頼時により重視するようになったスキルは?

はじめに、フリーランスエンジニアの依頼内容の変化について、フリーランスエンジニアの依頼担当者にうかがいました。

「フリーランスエンジニアの依頼内容は、直近2年でどのように変化したと思うか」について尋ねたところ、『成果物ベース(納品型)の案件が増えた(46.8%)』と回答した方が最も多く、『要件定義や設計など、上流工程を任せる案件が増えた(44.2%)』『チーム全体の成果責任を問う案件が増えた(25.8%)』となりました。

依頼内容は、これまでの「時間単価で人を使う」発想から、「成果で評価する」傾向が強まっていると考えられます。

特に、上流工程への依頼が増えている点は、AIによって実装工程が効率化される一方で、人間の判断や調整が必要な領域への期待が高まっていることを示しています。

また、チーム全体の責任や説明責任を問う傾向は、プロジェクト成果をより厳密に評価する文化への転換をうかがわせます。

では、こうした変化を引き起こした背景には、どのような要因があるのでしょうか。

「依頼内容が変化した理由として、どのような要因が大きいと感じるか」について尋ねたところ、『開発コストや人件費の高騰(36.8%)』『即戦力人材の確保が難しくなった(34.2%)』『AIツールや自動化技術の普及(34.1%)』が上位に挙がりました。

「開発コストの上昇」や「人材確保の難しさ」が、AI導入や業務自動化の追い風となっている可能性がうかがえます。

また、リモートワークの普及によって、個々のエンジニアのスキルをより客観的に評価しやすくなったことも背景にあるといえるでしょう。

こうした環境の変化を受けて、依頼時に重視されるスキルにはどのような変化が生まれているのでしょうか。

「AIツールの登場により、依頼時により重視するようになったスキル」を尋ねたところ、『課題発見力・提案力(37.4%)』が最も多く、『実務実績(32.5%)』『成果物の品質・安定性(32.1%)』となりました。

AIツールの活用が一般化する中で、依頼担当者が重視するのは「ツールを使えること」よりも、それをどう活かすかという「発想力」であることがうかがえます。

特に、『課題発見力・提案力』が最も多く挙げられた点は、受け身ではなく主体的に課題を定義し、「成果につなげられる人材」が求められていることを示しています。

また『実務実績』や『成果物の品質・安定性』が続いたことから、AI活用を前提にしても、最終的な成果を保証できる「人間の経験と判断」が重視されていると考えられます。

今後は「課題解決型」や「伴走型」の発注が主流に

次に、AIの普及を踏まえて今後のフリーランス活用がどう変化していくと思うのか、引き続きフリーランスエンジニアの依頼担当者に聞きました。

「AIの普及を踏まえて、今後のフリーランス活用はどのように変化していくと思うか」について尋ねたところ、『実装依頼よりも課題解決型の依頼が増える(42.0%)』が最多で、『成果物単位の発注が主流になる(35.5%)』『AIや自動化を前提にしたチーム開発が増える(35.5%)』『単発案件より、継続的な伴走型案件が増える(34.5%)』となりました。

AIの普及によって、フリーランスへの依頼は「実装作業の委託」から「課題解決型の協働」へと移行しつつあるようです。

『実装依頼よりも課題解決型の依頼が増える』が最多となったことは、企業が成果そのものよりも“問題を定義し、解決に導く力”を重視し始めていることを示しています。

さらに、「AI・自動化を前提としたチーム開発」や「継続的な伴走型案件」の増加が挙がった点からも、単発契約よりも長期的な連携・共創を志向する傾向が強まっているといえます。

では、こうした変化の中で、若手・経験の浅いエンジニアはどのように評価されているのでしょうか。

「若手・経験の浅いエンジニアを依頼しにくくなったと感じる場合の理由」として、『AIで代替可能な作業が増えた(30.9%)』『品質や納期面での不安がある(30.9%)』『コミュニケーション負担が大きい(30.1%)』『成果物や実績の判断材料が少ない(29.4%)』が多く見られました。

AIの導入により、初級レベルの実装作業は効率化が進み、若手の「入り口案件」が減少している可能性があります。

また、リモートワーク下では教育コストが増大し、育成よりも「即戦力」を求める傾向が強まっているようです。

この構造は、若手の実践機会減少とスキル成長の遅れにつながる懸念もあり、業界全体での支援策が求められそうです。

フリーランスエンジニア自身も「責任範囲の拡大」を実感

では、こうした環境変化の中で、実際にフリーランスエンジニア自身はどのような変化を感じているのでしょうか。

ここからは、20〜50代のフリーランスエンジニアにうかがいました。

「この2年で、担当する案件内容や役割にどのような変化があったか」について尋ねたところ、『一人称で完結できる責任範囲が広がった(30.2%)』が最も多く、『設計・企画段階から参加する案件が増えた(27.3%)』『成果物納品型の案件が増えた(19.2%)』となりました。

フリーランスエンジニアの多くが、AIの普及や開発環境の変化に伴い、より主体的な役割を担うようになっていることがうかがえます。

「責任範囲の拡大」や「設計・企画段階から参加する案件の増加」などが上位となった点からも、単なる実装担当から「成果を設計する立場」へとシフトしている様子が見られます。

フリーランスエンジニア自身が、より上流工程や責任ある立場を担うようになっている一方で、すべての方が同じように案件の機会を得られているわけではありません。

そこで、「案件が通らなかった・減ったと感じる場合、その理由は何だと思うか」について尋ねたところ、『単価・条件のミスマッチ(35.4%)』『求められるスキル水準が上がった(25.7%)』『他候補との競合やタイミング(18.8%)』が上位に挙がりました。

案件が減った理由として「単価・条件のミスマッチ」や「求められるスキル水準の上昇」などが挙げられたことから、依頼側の基準が以前より厳格化していることがうかがえます。

依頼担当者が、依頼時により重視するようになったスキルとして『課題発見力・提案力』や『実務実績』『成果物の品質・安定性』が上位になった点を踏まえると、AIの普及により単なる技術力だけでなく、問題解決力や業務遂行能力が求められているといえるでしょう。

結果として、こうした能力を十分に示せない場合、条件不一致や競争激化の影響を受けやすくなっている可能性がありますが、今後どのようなフリーランス活用が主流になると思うのでしょうか。

「AIの普及を踏まえて、今後のフリーランス活用はどのように変化していくと思うか」と尋ねたところ、『定型業務が減り、より創造的な工程が増える(37.7%)』が最多で、『案件単価が二極化する(高度人材と汎用層で差が広がる)(33.4%)』『コミュニケーション力の重要性が増す(26.0%)』となりました。

AIの普及により、フリーランスエンジニアに求められるのは「作業」から「創造」へと重心が移りつつあるようです。

AIが効率化を担う一方で、人間の価値が「発想力」「学習力」「対話力」に移行していることを示しており、今後は技術力に加え、思考の柔軟さや自律的な成長がより強く求められるといえます。

一方で、AIの普及によって相対的に価値が下がる、あるいは不要になると考えられているスキルや業務にはどのようなものがあるのでしょうか。

「今後、AIの普及によって『価値が下がる/不要になる』と思うスキルや業務領域」として、『コーディングなどの単純実装作業(46.4%)』『データ整理や入力などの補助業務(41.9%)』『テスト・デバッグなどの定型業務(36.7%)』が上位になりました。

単純作業や定型処理はAIの得意領域であり、人間が担う価値は創造性や文脈理解に移行していくと考えられます。

これにより、エンジニアはより上位概念を扱うスキル、つまり「課題設定」「戦略的設計」「顧客理解」といったスキルを磨く必要があるといえるでしょう。

最後に、AIの普及を通じて、自身の仕事観やキャリア観にどのような変化を感じているかうかがいました。

■AIの普及を通じた自身の仕事観やキャリア観の変化とは?

・一部の作業について時間短縮ができる代わりに単価も下がる懸念がある(40代/男性/東京都)
・今はAIを使いこなせないと置いていかれる(40代/男性/愛知県)
・作業が効率化され、より専門分野の作業に集中できる(50代/男性/宮崎県)
・より創造性が発揮できる(50代/男性/東京都)
・仕事がなくなるんじゃないかという危機感を感じる(50代/男性/神奈川県)

自由回答からは、AIの普及を前向きに捉える声と、危機感を抱く声の双方が共存していることがうかがえます。

「効率化で専門分野に集中できる」「創造性を発揮できる」といった意見がある一方で、「単価の下落」や「仕事がなくなる不安」を挙げる回答も見られました。

AIを使いこなす力が競争力のわかれ目になるとの意識が広がっており、フリーランスエンジニアにとっては「AIに代替される側」から「AIを活用する側」へと意識を転換することが、今後のキャリア形成において重要になると考えられます。

まとめ:AI時代のエンジニア採用は「成果主義」と「創造性重視」へ

今回の調査で、AIの普及はフリーランスエンジニアの依頼担当者とフリーランスエンジニアの両面に変化をもたらしていることが明らかになりました。

依頼担当者側では、これまで主流だった時間単価や実装中心の発注から、「成果物ベース」や「課題解決型」といった成果志向の依頼へと移行が進んでおり、背景には「開発コストや人件費の高騰」や「即戦力人材の確保難」「AI技術の浸透」といった複合的な要因があることが示されました。

AIツールの登場で、依頼時により重視するようになったスキルとして「課題発見力・提案力」「実務実績」「成果物の品質・安定性」が上位に挙がったことからも、AIによる自動化が進む中で、人間にしかできない創造的思考や責任感が求められていることがうかがえます。

また、今後は「課題解決型の依頼の増加」「成果物単位の発注が主流」「AIや自動化を前提にしたチーム開発の増加」「継続的な伴走型案件の増加」といった回答が多く、企業とフリーランスの関係性は単発的な外注から長期的なパートナーシップへと進化しつつあるようです。

一方で、「AIで代替可能な作業が増えた」「品質・納期面の不安がある」などの理由から、若手・経験の浅いエンジニアへの依頼が難しくなっている現状も見られます。

こうした即戦力偏重の流れは、若手の育成機会減少につながる懸念もあり、今後の人材戦略においては「教育と成果」を両立する仕組みづくりが課題となるでしょう。

フリーランスエンジニア側では、「一人称で完結できる責任範囲の拡大」「設計・企画段階からの関与増加」といった案件内容や役割の変化が報告されており、AIを前提とした開発体制の中で、自らの役割がより上流かつ戦略的な領域へ広がっている様子がうかがえます。

しかしその一方で、「案件単価のミスマッチ」「スキル水準の上昇」など、競争の激化を感じる声も少なくありません。

総じて、AIの普及はエンジニアの仕事を奪うのではなく、仕事の質と評価軸を再定義しているといえます。

単純作業は自動化される一方で、人間が担うべき領域は「創造」「提案」「共創」へと拡大しており、エンジニアには技術力だけでなく、課題発見力や柔軟な思考力が不可欠です。

AIと共に働く時代においては、“成果で信頼される人材”こそが、最も価値を持つ存在になると考えられます。

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■会社概要

株式会社インディバース
代表:河合大
設立:2019年7月
所在地:〒180-0004 東京都武蔵野市吉祥寺本町2丁目8−4 i-office吉祥寺
株式会社インディバース:https://indieverse.co.jp/
お問い合わせ:https://indieverse.co.jp/contact/

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