セキュリティエンジニアのフリーランスになるには?必要なスキルや単価相場などを解説

最終更新日:
  • セキュリティエンジニアの週4・週5で稼働できるフリーランス案件の探し方を知りたい
  • セキュリティエンジニアのフリーランスで求められるスキルセットや実務経験の目安を整理したい
  • 在宅・リモートで働けるか、実際の単価相場はどれくらいか知りたい

セキュリティエンジニアのフリーランスに関する、この記事の結論は以下のとおりです。

  • セキュリティエンジニアのフリーランスの単価相場は約88万円(※インディバースフリーランスのデータから調査)
  • セキュリティエンジニアのフリーランスに求められるスキルは、脆弱性診断、インシデント対応(CSIRT)、SIEM/SOC運用、法知識など。実務経験は3〜5年以上が目安
  • クラウドサービスの普及により在宅勤務が可能になりつつあり、フルリモート案件も増加傾向

結論からお伝えすると、セキュリティエンジニアのフリーランスは企業のセキュリティ対策強化に伴い需要が急増しており、実務経験があれば高単価(約88万円)で十分に稼げます。

セキュリティエンジニアのフリーランスで収入を増やすために押さえるべき相場観、案件探しのコツ、契約前の注意点までわかりやすく解説します。

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目次

セキュリティエンジニアのフリーランスはできる?未経験からも可能?

セキュリティエンジニアのフリーランスは十分可能です。

セキュリティエンジニアに求められる人物像は、ペネトレーションテストや脆弱性診断の実施能力、SIEM(Security Information and Event Management)やSOC(Security Operations Center)での運用経験を持つ人材です。

案件獲得のコツとして、レバテックフリーランスやテクフリなどの専門エージェントを積極活用し、CISSP(Certified Information Systems Security Professional)やCEH(Certified Ethical Hacker)などの資格取得でスキルを可視化することが重要です。

ただし、未経験から目指すのは難しいです!

未経験の場合は、セキュリティエンジニアとして企業で経験を積むか、ネットワークエンジニアやシステムエンジニアとして経験を積んでからセキュリティエンジニアに転向するのが一般的なキャリアです。

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セキュリティエンジニア案件の単価相場

単価中央値: 89.0万円
単価平均値: 88.4万円
単価相場案件数
0〜9万円6件
10〜19万円0件
20〜29万円0件
30〜39万円0件
40〜49万円3件
50〜59万円3件
60〜69万円16件
70〜79万円24件
80〜89万円16件
90〜99万円12件
100〜109万円7件
110〜119万円12件
120〜129万円10件
130〜139万円6件
140〜149万円2件
150〜159万円1件
160〜169万円1件
170〜179万円1件
180〜189万円0件
190〜199万円0件
200〜209万円0件
210〜219万円0件
220〜229万円0件
230〜239万円0件
240〜249万円0件
250〜259万円0件
260〜269万円0件
270〜279万円0件
280〜289万円0件
290〜299万円0件
300〜309万円0件
2025年12月時点

インディバースフリーランスが提携しているエージェントの全求人データをもとに抽出した結果ですが、平均単価相場/月は約88万円でした。高単価の案件を探している人は、高単価案件が豊富なレバテックフリーランスで案件を探すのがおすすめです。

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セキュリティエンジニアのフリーランス案件例

ここでは、実際に募集されている、セキュリティエンジニアのフリーランス案件の例をご紹介します。

720,000/月
新宿
フルリモート
職種セキュリティエンジニア
旅行業のお客様先にて、下記の業務をご担当いただく想定です。 ・セキュリティ対策の実務、(検知対応、ログ調査、脆弱性対応、ツール対応)の運用
880,000/月
九段下
リモート
スキルSAS
職種セキュリティエンジニア
【案件概要】 大手Sierにおけるセキュリティソリューション導入プロジェクトにて、下記業務をご担当いただく想定です。 週に2、3回程度の出社を想定しております。メンバーポジションにて一人称でご対応いただきます。 ※詳細につきましては1回目の...
業界SIer
990,000/月
都内23区
リモート
スキルSASBIPrisma
職種セキュリティエンジニア
社内外のネットワーク環境において従来の境界型セキュリティから、 ゼロトラストへの考えに基づき、情報資産への脅威を防ぐためのセキュリティサービスの導入支援を行っていただきます。
770,000/月
品川
常駐
スキルAWSAzure
職種セキュリティエンジニア
【業務内容】 既存システムをクラウドリフトされており 今後のクラウド基盤(AWS,Azure, AlibabaCloud)運用にあたり セキュリティ担当業務をお任せします。 (詳細は、面談時にお話しいたします)
660,000/月
大阪
常駐
職種セキュリティエンジニア
【業務内容】 SOC/CSIRT定常業務 Securityアラートの切り分け、調整 マニュアルの整備、セキュリティ業務改善 (詳細は、面談時にお話しいたします)
業界EC

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セキュリティエンジニアのフリーランス案件探しにおすすめのエージェント

エンジニアが案件を探す場合は、求人数が多い「レバテックフリーランス」に1社登録し、2-3社並行して登録しておくと、より良い求人に出会うことができるのでおすすめです。

公式サイト エンジニア案件数 稼働日数
(目安)
特徴
レバテックフリーランス
https://freelance.levtech.jp/ ★★★★★ 週4~5日 ・とにかく案件数が多い
大企業の高単価案件やフルリモート案件も多数取扱あり
・フリーランスとして案件受注を検討するならまず登録したいエージェント
HiPro Tech
https://tech.hipro-job.jp/ ★★★★ 週3〜5日 ・中間マージンが発生しない
・掲載案件の約70%が自社開発
25%は週3日以下の稼働で自由な働き方を実現できる
テックストック
https://tech-stock.com/ ★★★★★ 週4~5日 ・週5日フルコミットで月80万円以上を目指せる高単価案件を多数
リモート案件も豊富で、場所を選ばずに活躍したいエンジニアにおすすめ
テクフリ
https://freelance.techcareer.jp/  ★★★ 週4〜5日 大企業の高単価な案件が多い
・面談対策など案件受注サポートも充実
・業界でも珍しい低マージン率(一部案件で10%)

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セキュリティエンジニアがフリーランス案件を探す基準

まずは、セキュリティエンジニアがフリーランス案件を探す基準を解説します。

会社を辞めて独立したら、フリーランスとして食べていけるように案件を獲得していかなければなりません。

フリーランス案件を探す基準が曖昧だと、条件の良い案件が獲得できなかったり、低単価案件で消耗してしまったりということにもなりかねません。

クラウドソーシングかフリーランスエージェントか

フリーランスのセキュリティエンジニアが案件を探す時、「どこで探すか」というのは重要なポイントです。

基本的に、案件を探す方法は以下の2つがあります。

  • クラウドソーシングで探す
  • フリーランスエージェントで探す

クラウドソーシングは、企業がインターネット上で不特定多数に業務を外注する形態です。

クラウドワークスやランサーズといったサイトに登録し、案件を探します。

案件数が多いので、副業として利用しているエンジニアも多いです。

フリーランスエージェントは、フリーランスエンジニアを支援し、企業との仲介をおこなってくれるサービスです。

これらのエージェントに登録し、サポートを受けながら案件を獲得して業務を行います。

フリーランスエージェントをおすすめする理由は4つあります。

  • 単価が高い傾向にある
  • 営業代行や条件・単価交渉をしてくれる
  • 契約・請求業務を代行してくれる
  • 福利厚生が使える

フリーランスエージェントでは、エンジニアのスキルと企業が求めるスキルのマッチングを行い、条件に合う案件を紹介してくれます。

条件や単価が希望と合わない場合は交渉してくれることもあります。

煩雑な契約や請求業務も代行してくれるので、案件獲得における手間をかなり減らすことが可能です。

会社員と違いフリーランスには基本的に福利厚生はありませんが、エージェントが独自に設定した、各種割引などの福利厚生が利用できるのもメリットです。

フルリモート案件があるか

せっかくフリーランスになるなら、場所や時間にとらわれない働き方をしたいですよね。

セキュリティエンジニアを含むインフラエンジニアは、オンプレでの作業が多く、在宅勤務が難しいと言われてきました。

ですが近年ではクラウドサービスの普及もあり、セキュリティエンジニアも在宅勤務が可能になっています。

レバテックフリーランスでセキュリティエンジニアのフルリモート案件を調べてみたところ、以下のような結果になりました。

案件数
全体 354件
フルリモート 47件
一部リモート 113件

※公式ページより引用/算出(公式:https://freelance.levtech.jp)

打ち合わせなどで週に何度か出社が必要になる場合もありますが、フルリモートが可能な案件も多いです。

案件を探すときは、リモート勤務が可能かどうかも基準に入れて探してみましょう。

高単価な案件が多いか

フリーランスとして働くにあたって、重要なのが案件の単価です。

スキルによっても獲得できる単価は異なりますが、不当に低い単価で仕事を請け負ってしまっては、生活できなくなってしまいかねません。

クラウドソーシングは一般的に単価が低い傾向にあるので、単価の面でもフリーランスエージェントの利用をおすすめします。

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セキュリティエンジニア向けフリーランスエージェントの選び方

フリーランスとして働くならフリーランスエージェントの利用がおすすめと述べました。

フリーランスエージェントはたくさんあるので、どのエージェントを選べばいいか迷いますよね。

セキュリティエンジニア向けに、フリーランスエージェントの選び方を解説します。

自分のスキル/職種にマッチした案件数が多い

適切な報酬を得るためには、自分のスキルや職種にマッチした案件を獲得することが欠かせません。

セキュリティエンジニアは、以下のようなスキルを求められることが多いです。

  • 要件定義、セキュリティ設計
  • セキュリティエンジニアとしての実務経験

求められるスキルが自分のスキルより高すぎる案件しかないと、エージェントに登録しても案件がなかなか獲得できないでしょう。

逆に必須スキルが低すぎると、単価も低くなってしまったりキャリアとしてプラスにならなかったりします。

自分のスキルに合う案件を多く取り扱っているエージェントを選びましょう。

また、フリーランスエージェントは職種・業界特化型のものが多いです。

  • ITプロパートナーズ:IT・Web業界特化
  • ミッドワークス:エンジニア、デザイナー特化
  • レバテックフリーランス:フリーランスエンジニア特化
  • フォスターフリーランス:ITエンジニア特化

フリーランスエージェントの中には、デザイナーやディレクターに特化したものもあり、そこでセキュリティエンジニア向けの案件を探すのは難しいです。

エンジニア案件を多く扱っているフリーランスエージェントを選びましょう。

単価が高い

フリーランスエンジニアとして働き続けるために、なるべく単価の高い案件を受注することが重要です。

フリーランスは会社員と違い、保険料や年金の会社負担や退職金といった制度を受けられないので、会社員の2倍稼ぐ必要があると言われています。

たとえ収入が安定していたとしても、会社員のときより年収が下がってしまうのは嫌ですよね。

フリーランスエージェントで扱っている案件は、クラウドソーシングより単価が高い傾向にあります。

複数のエージェントの案件を比較したり、相見積もりをしてもらったりして、高い単価の案件が受注できるエージェントを選びましょう。

マージン(手数料)の割合は低いか

エージェント選びの際は、単価だけでなくマージン(手数料)についても確認が必要です。

案件の単価が高くても、マージンの割合が高いと実際に支払われる報酬は低くなってしまいます。

複数のエージェントを比較して、マージンが低めに設定されているエージェントを選びましょう。

特にレバテックフリーランスは、直請案件を多く扱っているので高単価を実現しています。

案件によってマージンが異なる場合もあるので、契約する前に必ず確認しましょう。

クラウドワークスやランサーズでは、手数料20%が報酬から引かれます。

フリーランスエージェントの案件でマージン率がクラウドソーシングと同じ20%だったとしても、福利厚生がある分フリーランスエージェントの方がメリットが大きいこともあります。

福利厚生サポートの充実度

保険や福利厚生がなく会社員よりも不安定と言われがちなフリーランスですが、安心して働けるよう、フリーランスエージェントでは独自の福利厚生サポートを提供しています。

  • 税務・経理サポート
  • 各種保険の代理店紹介
  • 宿泊施設やスポーツ施設などの割引

できるだけ福利厚生サポートが充実しているエージェントを利用したいですよね。

エージェント選びの際は福利厚生サポートの内容も忘れずにチェックしましょう。

リモート勤務・週3稼働など希望する働き方ができるか

会社員のときよりも、自由で柔軟な働き方を求めてフリーランスを志す人は多いでしょう。

せっかくフリーランスになったのに、会社員時代と同じように毎日通勤する、というようなことは避けたいですよね。

フルリモートや一部リモートなど、働き方が選べる案件を多く取り扱っているエージェントを選びましょう。

また、フリーランスになると案件を掛け持ちすることもあります。

週2、週3稼働なら時間にゆとりができ、ほかの案件と掛け持ちしたりスキルアップのための時間を確保できたりといったメリットがあります。

  • 稼働日数(週2、3勤務が可能)
  • 稼働時間(1日4時間からOKなど)
  • 稼働場所(フルリモート、一部リモート可)

以上の項目が希望と合う案件を、多く扱っているエージェントを選びましょう。

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フリーランスのセキュリティエンジニアの仕事内容

セキュリティエンジニアの仕事は、クライアントのシステムをサイバー攻撃から守ることです。

システムエンジニアが行なっていた実装作業などを、セキュリティ向上のためにセキュリティエンジニアが行うようになりました。

細かく分類すると、以下の3種類に分けられます。

  • プロジェクトの企画・立案
  • セキュリティシステムの設計・構築
  • 保守運用

フリーランスのセキュリティエンジニアの仕事内容について、1つずつ解説します。

プロジェクトの企画・立案

クライアントの要件をヒアリングし、必要なセキュリティシステムの企画や立案を行う仕事です。

セキュリティコンサルタントとも呼ばれます。

システムの分析だけでなく、現場担当者と連携しながら、各部門の組織体系や業務内容、セキュリティの弱点を把握する必要があります。

近年では、プライバシーマークやISMS取得の支援ができるセキュリティエンジニアの需要が高まっています。

セキュリティエンジニアとしての知識はもちろんのこと、コミュニケーション能力やコンサルティング能力が必要です。

セキュリティシステムの設計・構築

セキュリティのリスクを下げるため、プロジェクトの企画書にしたがってセキュリティシステムを設計・構築する仕事です。

サイバー攻撃や侵入を防ぐのはもちろんですが、運用が容易か、被害にあった場合でもすぐに復旧できるかという点も考慮に入れて設計します。

ネットワーク機器やOSが問題なく運用できるよう設計や構築を行うので、ハードウェアやアプリケーションに関する幅広い知識が必要です。

保守運用

構築したセキュリティシステムが正常に動作しているか、監視しながら運用を行う仕事です。

具体的には、以下の業務を行います。

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各エージェントごとの案件数

各フリーランスエージェントにおける、セキュリティエンジニアの案件数を比較すると、以下のようになりました。

全体 リモート可の案件数
ITプロパートナーズ 9件 3件
ミッドワークス 1件 不明
レバテックフリーランス 324件 136件
フォスターフリーランス 24件 22件

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フリーランスのセキュリティエンジニアが案件を取る方法

フリーランスのセキュリティエンジニアが案件を取る方法はさまざまです。主な方法を3つ紹介します。

エージェントを使う

前述の通り、案件獲得にはフリーランスエージェントの利用がおすすめです。

営業代行などのサポートや福利厚生が受けられ、単価も比較的高いというメリットがあります。

まだフリーランスになるかどうか決めていなくても、登録して相談だけでも受けてみることをおすすめします。

前職から紹介してもらう

2つ目は、前職から紹介してもらうという方法です。

転職サイトtypeの調査によると、エンジニアを紹介制(リファラル)で採用している企業は43.8%にものぼります。

信頼できる人材を効率よく採用するため、紹介制でエンジニアを採用している企業が多いです。

前職の同僚や上司、取引先などから仕事を紹介してもらえる可能性は十分にあります。

直接営業する

3つ目は、希望する企業に直接営業するという方法です。

働いてみたい企業やプロジェクトがあれば、電話やHPのフォームから直接営業します。

自分で営業しなければならないという労力はかかりますが、前述のように低コストで人材を採用したいと考えている企業は多いので、スキルや熱意を十分にアピールすれば、採用される可能性はあります。

セキュリティエンジニアがフリーランスになるメリット

フリーランスとして働くにあたって、メリットとデメリット両方把握しておきましょう。

まずはメリットを解説します。

年収が上がる

「給料ナビ」のデータによると、正社員のセキュリティエンジニアの平均年収は597万円です。

前述の通り、フリーランスのセキュリティエンジニアの平均年収は669.6万円円で、70万円ほど高くなります。

つまり、フリーランスとして独立した方が年収が上がりやすいことがわかります。

フリーランスとして経験やスキルを積み、より高単価の案件を獲得することでさらに年収をアップさせることも可能です。

参考:給料ナビ「セキュリティエンジニアの仕事の年収・時給・給料

IT領域に幅広く関われる

フリーランスのセキュリティエンジニアになると、幅広いシステムや事業に携われます。

基本的に、正社員のエンジニアとして企業に所属していると、会社の事業計画に従う必要があります。

参画したいプロジェクトに必ずしも携われるとは限りません。

フリーランスなら、自分の希望に合う案件を選ぶことが可能です。

<経験と携われる案件の例>

経験 運用経験、ドキュメントのレビュー経験
携われる案件 運用設計

ドキュメント作成

構築・運用

経験 開発・運用保守業務におけるセキュリティ対策経験
携われる案件 現行システムや脆弱性のヒアリング

アセスメントシートの作成

改善点の検討、提案

上記のように、自分の希望や過去の経験から幅を広げ、さまざまな業務に携われる可能性が高くなります。

市場価値の高いスキルが身に付く

フリーランスのセキュリティエンジニアとして活動することで、市場価値の高いビジネススキルが身に付きます。

セキュリティエンジニアに必要なのは、技術的なスキルだけではありません。

どの案件でも、プロジェクトをスムーズに遂行するために次のようなビジネススキルが求められます。

  • 問題解決能力
  • 臨機応変な対応力
  • 高いコミュニケーション能力
  • 人を巻き込む力

案件に参画後は、クライアントにヒアリングし、プロジェクトメンバーと協力して業務を遂行します。

環境に合わせて臨機応変に動いたり、他のエンジニアや部署との連携も必要です。

フリーランスとしてさまざまな案件に携わることで、問題解決能力やコミュニケーション能力が磨かれます。

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セキュリティエンジニアがフリーランスになるデメリット

フリーランスになるメリットは大きいですが、デメリットも存在します。

フリーランスになってから、「こんなはずじゃなかった…」と後悔したくありませんよね。

デメリットも把握して、大きくつまずくことのないよう準備しておきましょう。

案件・収入が安定しない

フリーランスになって初めのうちは、案件や収入が安定しないことが多いです。

スキルや経験が浅くて高単価の案件を獲得できなかったり、スキルはあるのに営業がうまくいかず案件を獲得できなかったりします。

案件・収入が安定しない期間があっても生活していけるよう、当面の生活費は担保しておきましょう。

また、契約が満了したり、企業の都合で案件が途中で終了すると一時的に収入は減ります。

社会人の時のように毎月安定した給料が得られるわけではなく、高収入の月があれば低収入の月もあるということを理解しておきましょう。

社会的信用が低くなる

一般的に、フリーランスは社会的信用が低くくなります。

理由は、前述の通りフリーランスになると収入が不安定になるという点です。

  • クレジットカード
  • ローン
  • 賃貸物件

これらの審査が、正社員よりは通りにくい場合があります。

ただ、貯金が十分にあり、家賃支払いに問題ないと見なされれば賃貸物件の入居審査も通りやすくなります。

ローンについては、会社員であっても勤続年数が短ければ審査が下りにくいため、継続してキャリアを積むことが先決です。

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フリーランスのセキュリティエンジニアに求められるスキル・知識

フリーランスのセキュリティエンジニアには、以下のようなスキルが求められます。

  • セキュリティ系の法律知識・倫理観
  • セキュリティ技術のトレンド知識
  • 3〜5年レベルの実務スキル
  • 収入アップしたいなら:上流工程に関わるスキル・知識

順番に解説します。

セキュリティ系の法律知識・倫理観

まずは、セキュリティに関わるエンジニアとしての基礎的なスキルである、法律知識や倫理観です。

IT技術の発展に伴って増加したサイバー犯罪や情報漏洩に対処するため、情報セキュリティに関する法律や制度が策定されています。

IT市場の変化とともに法律も新しくなるので、クライアントからの信頼を損なわないためにも、常に知識をアップデートさせておきましょう。

  • サイバーセキュリティ基本法
  • IT基本法
  • 電子署名認証法
  • 迷惑メール防止法
  • 不正アクセス禁止法

クライアント企業が海外展開している場合、国際基準や展開先の国の法律を理解することも必須です。

EUのデータ保護規則であるGDPRや、中国サイバーセキュリティ法など、クライアント企業の展開先地域に応じて知識を身につけましょう。

また、各種セキュリティ基準の認証に対する知識も必要です。

個人情報を適切に保護している事業者を評価する「プライバシーマーク」、クレジットカードのセキュリティ基準である「PCI DSS」、セキュリティ対策の企画や運用までの仕組みを評価する「ISMS」があります。

企業の機密情報に触れるため、法律や認証制度への理解だけではなく、高い倫理観も求められます。

情報漏洩などの事故が起きた際の、報告先や報告方法を知っておくことも重要です。

セキュリティ技術のトレンド知識

上述の通り、IT技術の発展に伴いサイバー犯罪やウイルスも進化しています。

標的型攻撃メールや、侵入の痕跡を隠しながら活動するマルウェアなど、サイバー攻撃の種類や技術は高度化してきています。

知識をアップデートしておかないと、クライアントからの信頼も失いかねません。

セキュリティの基礎知識だけでなく、最新技術のトレンド知識も必須です。

従来のセキュリティでは新しい攻撃手法を防げないこともあるため、素早く対応できるようにする必要があります。

3〜5年レベルの実務スキル

セキュリティエンジニアとしての経験が浅い場合は、3〜5年ほどのキャリアを積んでおきましょう。

高単価の案件ほど「運用経験5年以上」のように、実務経験を重視する傾向があるからです。

実務経験が浅くても応募可能な案件もありますが、数が少なかったり、単価が低かったりする傾向にあります。

セキュリティエンジニアとしてのキャリアの積み方が分からない場合は、情報処理推進機構(IPA)が提示する「IPA情報セキュリティスキルマップを参考にしてみてください。

セキュリティエンジニアを採用したい企業が、「どんなスキルを持つ人材が必要か」を可視化するために使われます。

つまり、この指標を参考にして経験を積めば、企業が求める人材に近づけるということです。

スキルマップの項目は全部で16種類あります。

  • 情報セキュリティマネジメント
  • OSセキュリティ
  • ウイルス
  • 認証 など

16項目の全て習得しなければならないというわけではありませんが、保有するスキルが多いほど、企業のニーズに応えられるセキュリティエンジニアになれます。

収入アップしたいなら:上流工程に関わるスキル・知識

収入アップを目指すため、上流工程に関わるスキルや知識を身につけるのもおすすめです。

とくにセキュリティコンサルタントは、セキュリティエンジニアの最上位にあたる職種であり、企業のセキュリティ対策に関する課題解決や支援を行う仕事です。

案件によっては、800万円〜1,000万円の年収を得られるケースもあります。

高度なスキルや知識を持っていることを証明するため、「情報処理安全確保支援士試験」の資格を取得するのもおすすめです。

難易度の高い国家資格で、経済産業省の認定を受けられます。

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セキュリティエンジニアにおすすめの資格

フリーランスのセキュリティエンジニアがキャリアアップするためにおすすめの資格は、以下の3つです。

  • シスコ技術者認定
  • 情報処理安全確保支援士
  • CEH(認定ホワイトハッカー)

シスコ技術者認定

シスコ技術者認定は、シスコシステムズが実施している資格で、ネットワークエンジニアの技能を証明する世界共通基準の中でも最も有名な資格です。

レベルが低い方から順に「エントリー・アソシエイト・プロフェッショナル・エキスパート・アーキテクト」の5つに分かれています。

合格率は公式発表されていませんが、一般的に20%〜30%と言われています。

出題範囲は以下の通りです。

  • ネットワークの基礎(20%)
  • ネットワークアクセス(20%)
  • IPコネクティビティ(25%)
  • IPサービス(10%)
  • セキュリティの基礎(15%)
  • 自動化とプログラマビリティ(10%)

公式サイトより引用

ネットワーク構築に用いる装置はシスコ社製の製品が多いので、ネットワークに関する専門性やシスコ社製品の知識をアピールできるメジャーな資格です。

情報処理安全確保支援士

情報処理技術者試験の中でも人気だった「情報セキュリティスペシャリスト試験」が廃止され、IT系国家資格の中で初の「士業」として「情報処理安全確保支援士」が新設されました。

情報処理安全確保支援士は、幅広く情報システム・セキュリティ全般の知識や実践能力が求められるため、非常に難易度の高い資格です。

1日4つ行われる試験でそれぞれ60点以上獲得する必要があり、令和4年春期の合格率は19.2%でした。

かつては13%前後でしたが、ここ3年は20%前後まで増えています。

公式サイトより引用

前提知識がない場合の勉強時間は500時間が目安ですが、実務経験や情報処理技術者試験の合格経験があれば難易度は変わります。

他の高度情報技術者試験は年に1度しか受験できませんが、情報処理安全確保支援士は年に2回受験できるので、ぜひ挑戦してみてください。

CEH(認定ホワイトハッカー)

CEH(認定ホワイトハッカー)は、米国EC Council社が提供する資格です。

公式の資格講座は世界145カ国以上で実施されています。

試験では、ネットワークやサーバー、クラウド、モバイルなどについて、最新のセキュリティ攻撃やハッキング技術といった攻撃側の知識が必要です。

CEHを受験するためには、下記のいずれかに当てはまっている必要があります。

  • EC Council社のCEHコースを受講する
  • 少なくとも2年以上の情報セキュリティ経験を有すること
  • 情報セキュリティに特化した教育を受けていること

攻撃側の視点からセキュリティを学ぶこの資格は、日本ではあまり普及していませんが、アメリカでは非常に有名な資格です。

テストし、脆弱性を見つけ対処するのもセキュリティエンジニアの仕事です。

外資系の企業で高く評価され、高収入を得られる可能性が上がるためおすすめです。

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フリーランスのセキュリティエンジニアの将来性

結論から言うと、フリーランスのセキュリティエンジニアには将来性も需要もかなり高いです。

セキュリティを取り巻く現状と、セキュリティエンジニアの将来性について解説していきます。

セキュリティアップデートの必要性

現在、多くの企業がセキュリティのアップデートを必要としています。

情報処理推進機構(IPA)の調査によると、約50%の企業が「取引先のセキュリティに不安を感じている」ことがわかりました。

そのほかにも、以下のような回答がそれぞれ20%以上となっています。

  • 当社の情報が漏洩しても経路を判断しにくい
  • テレワーク時に利用する端末のセキュリティ対策が不十分と感じている
  • テレワーク実施場所(自宅やサテライトオフィス等)のセキュリティ対策が不十分

引用:情報処理推進機構「ニューノーマルにおけるテレワークとITサプライチェーンのセキュリティ実態調査

テレワークの普及もあって、現行のセキュリティでは不十分だと考えている企業は多いです。

セキュリティアップデートの必要性を感じている企業は多く、フリーランスのセキュリティエンジニアが活躍しやすい状況だと言えます。

ウイルス・サイバー攻撃の複雑化

警察庁が発表した「令和3年におけるサイバー空間をめぐる脅威の情勢等について」によると、令和3年のサイバー犯罪の検挙件数は12,209件と、過去最多でした。

プロのサイバー犯罪組織の攻撃は、年々高度で巧妙な手口になっており、対策が非常に困難です。

アンチウイルスソフトIDS/IPSなどの製品は、新種の攻撃手口やマルウェアを検知しないことも多くあります。

AIを活用した製品も普及してきていますが、成果を出している一方で、対策を回避する攻撃手法も現れています。

すでにセキュリティ製品だけで対策するのは、限界がきている状態です。

さまざまな対策を組み合わせ、組織の情報資産を守る必要があります。

企業のシステムや業務フローを把握した上で、適切なセキュリティを提案・構築・運用できるセキュリティエンジニアの需要は今後ますます増えていくでしょう。

人手不足によるセキュリティエンジニアの需要高騰

前述した通り、テレワークによるセキュリティ対策を懸念している企業にとって、セキュリティエンジニアの存在は必要不可欠です。

しかし、需要が高い一方、セキュリティエンジニアは圧倒的に不足しています。

実際に日本・アメリカ・オーストラリアの企業を対象にした「情報セキュリティ実態調査」では、日本企業の約90%がセキュリティ人材の不足を感じていました。

参考:NRIセキュアテクノロジーズ「企業における情報セキュリティ実態調査2021

さらに、アクセンチュアの年次レポートによると、調査回答者の80%以上が過去1年でセキュリティ投資の予算を増加させています。

参考:アクセンチュア「サイバーレジリエンスの現状 2021

セキュリティエンジニアの採用を強化するにあたり、即戦力を効率よく確保できるフリーランスエンジニアの需要が高まっていくと予想されます。

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セキュリティエンジニアのフリーランスに関するよくある質問

Q1. 実務経験は何年くらい必要ですか?

最低3年、できれば5年以上の経験が目安です。

即戦力が求められるため、3年未満では案件が限られます。高単価を狙うなら、5年以上の運用経験やリーダー経験があると有利です。

Q2. 未経験からでもフリーランスになれますか?

未経験からいきなりなるのは非常に困難です。

まずは企業でエンジニアとして3〜5年の実務経験を積み、スキルを身につけてから独立するのが一般的なルートです。

Q3. フルリモートでの稼働は可能ですか?

可能です。特にクラウド関連やコンサル案件で増えています。

ただし、物理的な機器設定が必要な場合や、セキュリティ規定が厳しい現場では一部出社が求められることもあります。

Q4. 資格は必ず取得しないといけませんか?

必須ではありませんが、取得を強くおすすめします。

「情報処理安全確保支援士」や「CISSP」などの資格はスキルの証明になり、案件獲得や単価アップに直結するためです。

Q5. フリーランスになると年収は上がりますか?

正社員よりも年収が上がる傾向にあります。

平均単価は約88万円/月と高水準です。上流工程や高度なセキュリティスキルを身につけることで、さらなる高収入も目指せます。

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まとめ

セキュリティエンジニアは、企業のセキュリティ対策強化にともなってますます需要が高まる職業です。

フリーランスのセキュリティエンジニアになれば、会社員よりも自由な働き方で高収入を得られる可能性が高まります。

一方で、フリーランスになると収入が不安定になるなどのデメリットも把握して準備しておきましょう。

大きく失敗することがないよう、フリーランスエージェントを利用して新着の案件をチェックするのがおすすめです。

クラウドソーシングよりも比較的高単価の案件が多く、営業代行や財務サポートなどの支援を受けられます。

この記事がフリーランスを目指すセキュリティエンジニアの参考になれば幸いです。

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